(教授) 荒井 裕国 Hirokuni ARAI


学会・資格:
心臓血管外科専門医修練指導者、心臓血管外科専門医、胸部外科学会指導医、外科学会指導医、外科専門医、認定植込型補助人工心臓実施医

(当科の基本方針について)

東京医科歯科大学心臓血管外科では、虚血性心疾患・心臓弁膜症・大血管疾患・先天性心疾患・重症心不全に対する外科治療を行っております。一般の病院では治療が困難な複合疾患を合併した重症例こそ、大学病院が担うべき外科医療と考え、no refusal policyで重症・緊急に係わらず、随時手術を受け入れております。“長期遠隔予後に優れたQuality of lifeの高い手術”とは何かにこだわり、精度の高い最新の心臓大血管手術を、より安全かつ低侵襲に行うための新しい術式やデバイスの開発を行っております。冠動脈バイパス術では、95%以上で人工心肺を用いないオフポンプバイパス術を施行(軽快退院率99.5%以上)し、弁膜症では、年々増加する僧帽弁形成術の完遂率がほぼ100%に達しています。心移植を目的とした植込み型補助人工心臓手術や胸部・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療も行っています。
 

(研究について)

心臓血管外科学の臨床に役立つ研究を志向し、その成果を臨床の現場で応用しています。
初代鈴木章夫教授以来、当科で行われてきた冠動脈バイパス手術は、約2000件と膨大な症例数に達しており、長期遠隔予後を解析することで、日本人にとって長期的に優れたバイパス術のエビデンスを探求しています。人工心肺を用いないオフポンプ冠動脈バイパス手術では、手術を安全確実に行うためのハートポジショナー“TENTACLES”を当科で開発しました。日本発のデバイスとして国内はもとより世界各国で臨床使用されており、更に心筋センサープローブを付加した次世代デバイスを研究・開発中です。また、従来の僧帽弁形成術では修復できない複雑病変や重症の機能的僧帽弁閉鎖不全に対しては、心拍動下での僧帽弁手術法を当科で独自に開発・臨床応用し、形成術の限界に挑戦しています。最重症の心不全に対しては、植込み型補助人工心臓の実施施設の認定を受け、補助循環法の臨床研究及び大型動物を用いた前臨床研究、小動物を用いた細胞移植の研究を行っています。また、基礎医学分野との連携によるトランスレーショナルリサーチとして、心臓手術後の心房性不整脈の機序を遺伝子解析し、遺伝子レベルでの新たな治療法の開発に向けた研究も行っております。
 

(教育について)

大学と教育関連病院(東京近郊を中心とした8施設)との連携による充実した効率的な教育プログラム(年間総手術数1300件以上)により、卒後10年以内に心臓血管外科専門医が取得できます。初期研修終了後、約1年間の連携病院における一般外科研修で短期間に外科専門医を取得した後、1年間の大学における心臓血管外科医としての基礎トレーニングを経て、その後は複数の教育関連病院において心臓・大血管からステントグラフト・末梢血管に至るまで幅広く多数の手術が経験できます。専門医取得後は、希望により大学院に帰学し、研究に従事しますが、臨床を行いながら研究を行う社会人大学院コースもあります。学位取得後は、臨床の第一線病院や研究・教育での活躍の場があり、海外留学も積極的に支援しております。